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渋谷クラブ事情  No.04 若年層向けクラブ動向 (11/28/1999)
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今回から若年層向けのクラブについての分析を解説していきますが、その前に、今のクラブシーンをもう1歩深く踏みこんでふりかえってみましょう。 
現在、良くも悪くもクラブシーンは盛り上がっています。これはもうすでに周知の事実でしょう。しかし、全ての「お店」がいつも満員で盛りあがっているわけでもありません。それでも「シーン自体」は、盛りあがっています。もっと明確に言うならば、クラブの中の1ジャンルが盛り上がりを見せている、ということです。これはどういうことなのかを解説していきましょう。 
現在のクラブ人口の構成比率は劇的に変わってきています。これは、新規参入者がどっと増えているためです。新規参入の牽引は18歳前後の若年層です。この若年層が、派手に盛り上がれる場所を探してクラブシーンになだれ込んで来たのです。
そしてこの動きに呼応するようにいち早く彼ら若年層の欲求を満たしていたクラブが、渋谷PYLONです。結論から言うと、PYLONがこのシーンの盛りあがりの火付け役ということなのです。今までにもALL-MIX系、ALL-GENRE系の箱はありましたが、その(ALL-MIX系)シーンの中で全国的な知名度と人気を得たのがPYLONなのです。PYLON-CDにも入っているように「やっぱPYLON行くしかないっしょ!」と言う風潮が出来上がりました。
他の同系統の箱からは「ガキ箱」、「C級箱」とさんざんののしられながらも着実にマーケットの支持を得てきました。これはPYLONが既存のクラブのようにプロダクト指向ではなく、あくまでマーケット指向に徹した結果と言えます。
少しここで今までを整理しましょう。クラブで言うところの「プロダクト指向」というのは、クラブのハード面でのアイデンティティー、つまり曲のジャンルや客層を確立し、それにソフト面、つまりコンセプトや細かな調整を合わせていくというものです。全てが「お店主導」もしくは「オーガナイザー主導」ということです。これは海外でのクラブ発祥から今までずっと続いてきた経営方法です。
それに対して「マーケット指向」とは簡単に説明すると、文字通り「マーケット=客」の動向に店を合わせていく手法、と言えるでしょう。店の雰囲気や客層は店が固定するのではなく、あくまで客が決めると言う独自のスタンスによる展開なのです。この手法によって爆発的に若年層間で人気が出たのです。そしてPYLONでクラブデビューした人たちが、PYLONスタイルがクラブスタンダードと思いこみ他店へと流れ込んでいったのです。これは他店からすると如実に嫌悪感を現さずにいられないことでもありますが、同時に“フロアーが盛りあがる”というメリットも生んだのです。 
そして次々に南青山M、渋谷Furaといったところがそれまでの店独自のスタイルを変えられていきました。一時期(2年強前)、都内各所で「最近コドモが多くて・・・」と言う声を聞き出した頃にはもうすでに席捲されていたのです。この頃にはPYLONに行ったことがない人でもスタイルはPYLON系になっていました。こうしてどんどんPYLONスタイルは若年層を開拓していったのです。そしてこの好循環が現在のシーンの隆盛の土台を作り上げたのです。 
 今のシーンは極分化が始まったに過ぎません。第一の分岐は大人系とコドモ系です。大人系はEARTHVENUSFuraといった箱へ流入していったのは前章の通りです。ではそこから排除されたコドモ達はというと、やはり元祖PYLONへと戻ってきました。
しかし、「戻れない」人たちもいました。もうすでに大人になってしまった人たちです。つまり、もう世代交代が始まっていたのです。わずか2年程度で大きく様変わりをしてしまっていたのです。ガングロ・茶髪からゴングロ・アッシュへ、ファッションも変わりました。なによりも盛りあがりを求めるコドモ達は彼ら独自の文化をどんどんすごいスピードで進化させていったのです。
その彼らが今最も受け入れているものがパラパラです。このパラパラはある種独自の“一体感”とやっている者にしかわからない“かっこ良さ”があるのです。僕も昔毎日マハラジャに通っていた頃は必死で覚えていました。もう何年も踊っていないのにまだ当時の踊りやステップは覚えています。それほど楽しいものだということはこの全国的な盛り上がりを見れば理解はできると思います。 
 こうしてイマイチ盛り上がりに欠ける大人系に自ら愛想を尽かした(決して排除されたのではなく、自分達の意思で)コドモ達は、新たな楽しみを見つけたのです。では、PYLONに始まりPYLONへと回帰したコドモ系クラブカルチャーは、もうすっかりPYLONの独壇場なのでしょうか。今後のシーンの傾向はどういうものになっていくのでしょうか。そしてFURAが排除したコドモ達に一体どんなビジネス的な魅力があるのでしょうか。これらの深い切りこみについては次回に詳説します。 

*注:今のALL-MIXというのは10年弱前のハウスのようにみんなが、そして誰でもノれる曲調と受け止められています。

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