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でも、内心は羨ましかったんでしょ? 全てのベクトルは狂喜へと向かっていたバブル期。一つの歯車が狂い始めたとき、人は欲望と本能を剥き出しにした、醜いまでの動物に成り下がっていた。金と女を握っている者だけが得られる「特権」。誰もがこの黄金に輝いて見える力に憧れた。そう、バブルは全ての人に平等ではなかった。 そのほとんどは、もう少しで頂上に手が届きそうなところでもがき苦しみ、そしてある者は足を引っ張られ、ある者は自ら足を踏み外して、人知れず奈落の底へと転落していった。挫折した者は全て口をそろえて言う。「アレは異常だったよ。」と。 完全に優勝劣敗の構図が形作られたその時代に、甘い蜜を吸い続けた人種はほんの僅かだった。金と女に全く不自由しない毎日は、自分自身を「時代の勝者」と錯覚させるに充分だった。 派手な大胆さと目立たない繊細さを兼ね備えたこの狡猾な人種は、常に時代の落伍者達の嫉妬と羨望を浴び続けていた。 そして、歴史は常に繰り返される。 敗者は常に漫然と時代に流され、進むべき方向すらわからずに迷い続ける。猜疑心により決断力が鈍り、そして焦燥感によって慎重さも失う。 勝者の勝者たる所以はただ一つ。敗者と違う行動をとる事。ゼロサムゲームは敗者だけ見ていればいい。敗者と逆方向に進み続けるだけ。 時代の流れに乗ったとき、自分の背中に風を感じる時がある。しかし鼻先を風がかすめた時には・・・ |